2020年05月03日

恋だった日々の名残

やっちゃったねえ。

あ。姐さん。

姐さんではないけれども。

…。

あんただけは人の痛みをわかると思ってたのに。
これじゃてんそ全滅じゃん。

…。

へびいは自滅。
バッファは我が道。
チュッパは各々道をみつけた。
雨上がり、FUJIWARAはあんなふう。
あんたたちだけが残った。
のに。

えやないですか。
それより、兄さんとはどうなったんです?

どうもこうも。
あんた知ってたよね。
あたし当て馬だったこと。

当て馬ちゃいますよ。
東京妻と、地元妻や。
地震の時の電話、感謝しとられました。
でもその後、連絡取れんようなったって。
何があったんですか。

別に。
食いつめただけだよ。
あたしのことはいいの。
あんただよ。
△迫のこと、もう言えないよ。

いや。
今改めて△迫の大変さがわかったですわ。
世間は思いたいように、僕らのことを思うんや。
ほんまのことはどうでもええんや。
まあどう思われてもええんですけども。

ええの?
じゃない、
いいの?

だっていくら謝っても、世間は僕を許さんでしょう?
僕も会社に言われて謝りましたけど、本心は、そうまで悪いこと言うたか?思いますねん。

え。

女が社会を曲げて見とるんやろ。
生活に困ったらなんでもするやん。
命か貞操かなったらやらせるやん。
力も弱い、社会の仕組みも知らん、そんな女等に権利だの尊厳だの言われたないわー。
僕は曲がったこと言うてません。

ああ。
おまえはやっぱりそんなふう思ってたのか。
私は語る言葉もなくして、その場を離れてゆく。
反動なしで二メートル飛び上がるこの子が好きだった。
うちの彼の七倍売れてるのに、うぬぼれず、兄さん兄さん慕ってくれてたこの子が好きだった。

姐さんは好きでした。
男と仕事で男を取らず、東京に残った姐さんは、働く女の鑑でした。
でも僕の周りの女は、見た目や売れ方でしか人を見んやつらばっかやったんや。
だから僕もそう見てやることにしたんや。
そんで思った通りいうたらこうや。
この国おかしいわ!!


大阪を離れる私を、見送ったのはあの子の相方やった。

すんませんでした。
あいつ、心閉ざしてもうてて。

恋も、ちゃんとはできなかったんだね。

たぶん。
ていうか…

長身の男は言いよどんだ。

あいつたぶん、姐さんみたいな女性に出会いたかったみたいです。


私みたいな女。
出しゃばらない、秘密は守る、生活は支える、そして静かにフェードアウトする。
そんな女は幻だ。
だからおまえは誤った。

都合のいい女は、世のためにならない。
男のためにもだ。


posted by うらやす at 20:59| Comment(0) | 作品 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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